ヨーロッパの歴史風景 近代・現代編




西暦1919年、モンマルトルの丘の上にサクレ・クール寺院が完成した。(パリ、フランス)


モンマルトルの丘の上の白亜のサクレ・クール寺院

フランスの首都パリの北部にあるモンマルトルの丘の白亜のサクレ・クール寺院は、歴史ある建物の多いパリの中でも新しい建物だね。西暦1871年に普仏戦争でフランスが敗れ、その2年後に建設が始まったものらしい。

フランスの首都パリのモンマルトルの丘の上の白亜のサクレ・クール寺院

そんなサクレ・クール寺院が完成したのは第一次世界大戦終了後の西暦1919年のことだった。といっても、建物自体はその前に出来上がってはいたらしい。でも、寺院として扉が開かれたのが、終戦後のことなんだそうな。

このサクレ・クール寺院の前には、多くの観光客が集まっている。サクレ・クール寺院が観光スポットということもあるけど、このサクレ・クール寺院の石段から眺めるパリの景色が良いからね。

ちなみに、宗教戦争の時代のフランス王アンリ4世フランス皇帝ナポレオンを退位させた際のロシア軍などは、パリを攻撃する為にこのモンマルトルの丘に大砲を並べたらしい。つまり、モンマルトルの丘はパリを一望するのに最適というわけだよね。

ついでながら、フランス第2の都市リヨンのフルヴィエールの丘には、ノートルダム・ド・フルヴィエール教会がある。パリのサクレ・クールと同様に、丘の上にある白亜の教会で、普仏戦争におけるフランスの敗戦の後に建設が始まったらしい。その教会からはリヨンの眺めが素晴らしいんだ。

モンマルトルの丘に登るフニクレール(ケーブルカー)

モンマルトルの丘の坂道や石段を汗をかきかき登り、白亜のサクレ・クール寺院を間近に見れば感動も倍加するに違いない。

フランスの首都パリのモンマルトルの丘に登るフニクレール(ケーブルカー)

でも、私はモンマルトルの丘に登るときには、上画像にあるフニクレール(ケーブルカー)をお薦めしちゃうかな。パリの地下鉄のカルネも使えるのが特に便利で有り難いよね。

もちろん、モンマルトルの丘から下る際には、乗り物には乗らず、坂道や石段を歩いて、広場などで演奏されているシャンソンに耳を傾け、モンマルトルの丘に残るブドウ畑を眺め、道端でクレープを食べ、そんなこんなでのんびりと下っていくべきだね。

歴史あるサン・ピエール・ド・モンマルトル教会

パリのモンマルトルの丘といえば、有名なのはサクレ・クール寺院なんだけど、でも歴史あるサン・ピエール・ド・モンマルトル教会(下の画像)も興味深いんだ。

フランスの首都パリのモンマルトルの丘の上のサン・ピエール・ド・モンマルトル教会

12世紀に遡るこのモンマルトルの丘のサン・ピエール教会では、西暦1534年にイグナティウス・ロヨラたちがイエズス会設立の誓いを立てた場所とも伝えられている。(ローマ教皇から設立の承認を得たのは西暦1540年のことだった。)

また、このモンマルトルの丘で処刑されたという伝道者サン・ドニ(聖ドニ)ゆかりの場所として、パリ郊外のサン・ドニ大聖堂に向かう巡礼たちがここに立ち寄ったとも言われているんだそうな。

モンマルトルの丘といえば画家たち

そしてパリのモンマルトルの丘といえば画家たちかな。後にジヴェルニーにモネの家睡蓮の池を作ったクロード・モネも、南フランスで自殺したゴッホも、かつてはこのモンマルトルの丘にいたんだそうな。

フランスの首都パリのモンマルトルの丘の上で見かけた画家

そんなモンマルトルの丘も20世紀に入ると高級住宅地化しちゃったらしい。まさに白亜のサクレ・クール寺院が出来上がった頃だね。安かったアパートの家賃も高くなっちゃった。そんなわけで、多くの貧乏画家たちもモンマルトルからモンパルナスあたりへ移ったんだそうな。

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