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西暦1530年、イングランド王家がイギリスの首都ロンドン市内にある今のソーホーの土地を取得した。
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昼間はちょっと不気味、夜は華やかな ロンドンの繁華街ソーホー
イギリスの首都ロンドンの中心部、ピカデリー・サーカス、オックスフォード・サーカス、トッテナム・コート・ロード、コベント・ガーデンなどに囲まれた地域の中に、ソーホーと呼ばれる一帯がある。
夜は華やかな繁華街なんだけど、昼は少し不気味なほどに静かな地区がソーホーなんだ。
イングランド王家の狩猟用の土地だったソーホー
知っている人も多いだろうけど、今のロンドンは歴史ある二つの街から出来上がっているんだ。一つは今の金融街シティを中心とする街。もうひとつはイギリスの首相官邸のあるダウニング街10番地やウェストミンスター寺院などを中心とするウェストミンスター地区だね。
じゃあ、その二つの街の間の土地はどうなっていたかといえば、それが農地だったらしい。その農地の一角、今のソーホーのあたりの土地をイングランド王家が取得したのが1530年のこと。その土地を王家はウェストミンスター宮殿に付属の狩猟地にしたんだ。余談ながら、「ソーホー」という言葉も、狩りのときの呼び声なんだそうな。
ちなみに、西暦1530年頃といえば、イングランド王ヘンリー8世の時代だね。ハンプトン・コート宮殿に住み始め、王妃キャサリンと離婚してアン・ブーリンと再婚したい、と騒いでいる頃かな。
ロンドンの繁華街ソーホーの発展
その後、西暦1666年にロンドンで大火災が発生した。ちょうどロンドンの人口が急増していたことも有り、今のソーホー地区のあたりは、新しい住宅地として開発されることになったんだ。そして新しく建てられた邸宅に住み始めたのは、政治家や聖職者・大貴族たちだった。つまり、17世紀末のソーホーは高級住宅地だったというわけだ。
18世紀になると、ソーホー地区の住民に職人達が増えていった。彼らはフランスや東欧から逃れてきたユグノー・プロテスタントたちだった。ソーホーには職人たちの店が増えていったんだ。
ソーホーのジャズやファッションと中華街
20世紀になると、かつての高級住宅地ソーホーは、イギリスの首都ロンドンでも代表的な薄汚い街になっていたんだそうな。でも、1950年代、イギリスにジャズが広がって行ったんだけど、その中心がソーホーにあるジャズの老舗ロニー・スコッツだったらしい。(下の画像は、ロニースコッツのステージの様子。)
同じ1950年代、元々はテームズ川沿いのドック・エリアに住んでいた中国系の人々が、ソーホーの一角に集まり始めたんだ。やがて、ソーホーにはヨーロッパを代表する中華街(その夜景が下の画像)が出来上がった。
そして1960年代、ソーホーはロックの中心地ともなった。そして、ソーホーの一角にあるカーナビー・ストリートは、若者たちのファッションの街になったんだ。その名声は既に失われたみたいだけどね。
ロンドンを代表する風俗産業とゲイの街ソーホー
同じく1960年代にソーホーで発展したのが、いわゆる風俗産業だった。70年代には、その全盛期を迎えたらしい。でも、組織犯罪が増え、警察の汚職まで発生することになり、当局の規制も強化されたみたい。その結果、1980年代にはソーホーの風俗産業は衰退してしまった。
他方で、1980年代からソーホーに進出してきたのがゲイの人々だった。ソーホー地区の中には、ゲイの人々が集まるパブなどもあるらしいよ。(お願い:ゲイの集まる店に興味があっても、メールなどで問い合わせないでね。具体的な場所とかは知らないんだから。)
でも、ゲイにとってソーホーが天国というわけでもないみたい。1999年4月30日にはソーホーのパブで爆破事件があり、3人が亡くなっているんだけど、これはゲイの人々を狙った犯行だと言われている。
イギリスの首都ロンドンの中でもソーホーは面白い
こんなことを書いちゃうと、ソーホーってちょっとコワイと思わせちゃったたかな。でも、私はソーホーの街が好きなんだ。何といっても面白いもの。
イタリアの水の都ヴェネツィア出身の世界の色男カサノヴァや共産主義の神さまカール・マルクスもソーホーが好きで、この街に住んでいたこともあるらしい。世界の色男はともかくだけど、共産主義の御本尊と繁華街ソーホーってのはいったいどうなんだろうね。
ソーホー周辺に流行の日本のラーメン
そんな興味深い繁華街ソーホーなんだけど、西暦2012年春からソーホー周辺に日本のラーメン専門店が次々とオープンしているらしい。ラーメン一杯が10ポンド以上もするらしいから、決して安くはない。でも、流行の最先端というイメージ、あるいはフィッシュ・アンド・チップスなどと比べて健康的というイメージもあり、地元の若者たちにも人気があるんだとか。
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