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ルネサンス彫刻の開拓者ドナテッロルネサンス期のイタリアの彫刻といえば、まずはミケランジェロが頭に浮かぶかな。ローマのサン・ピエトロ大聖堂にあるピエタや、フィレンツェのアカデミア美術館にあるダヴィデ像など、名高い作品を残しているよね。でも、このページの主役はドナテッロ。彼はミケランジェロよりも100年ほど前に活躍した彫刻家なんだけど、彼は彫刻に新しい表現方法を生み出したとされているんだ（資料の受け売りだけど ・・・ ）。
ドナテッロは西暦1386年頃にフィレンツェで生まれたとされている。父親は毛梳き工だったと言われている。若い頃の彼は、金細工師の工房やギベルティの工房で学び、更にはローマでも彫刻の修行をしたらしい。
そんなドナテッロの20歳頃の作品が、上の画像にある十字架のキリスト像なんだ。フィレンツェのサンタ・クローチェ教会で見ることが出来る。でも、彼はこの作品に満足してはいなかった。「これはキリストではない。ただの人だ。」とコメントしたらしい。
サン・ジョヴァンニ洗礼堂にある対立教皇ヨハネ23世の墓その後もドナテッロは多くの彫刻を制作している。西暦1415年から10年余りはフィレンツェのドゥオモ（大聖堂）の脇にそびえるジョットの鐘塔を飾る数点の彫刻を制作していたらしい。（それらの作品は今はドゥオモ博物館で見ることが出来る。）
西暦1425年からドナテッロが制作（ミケロッツォと共同制作）したのが、上の画像の左手奥に見える対立教皇ヨハネ23世の墓だった。これはドゥオモの前にあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂の中にあるんだけど、対立教皇ヨハネ23世はメディチ家の当主ジョヴァンニ・ディ・ビッチの支援を受けて即位し、メディチ家の銀行に教皇庁の取引を委ねて莫大な利益をもたらした人物だったそうな。
古代彫刻に学んだドナテッロそんなわけでフィレンツェの名家であるメディチ家との関係のあるドナテッロなんだけど、西暦1433年に国父コジモ・デ・メディチが追放された時にはフィレンツェを離れていたらしい。その後、国父コジモのフィレンツェ帰還を待っていたかのように彼も故郷に戻っている。
そんなドナテッロがフィレンツェのドゥオモ（大聖堂）の為に制作したのが、上の画像にある聖歌隊席（今はドゥオモ博物館で見ることが出来る）だった。西暦1438年頃に完成した作品なんだけど、古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻やビザンティン様式の影響が見られるんだそうな。
国父コジモ・デ・メディチの支援を受けたドナテッロ上にも書いたようにドナテッロを支援していたのは、フィレンツェの名家であるメディチ家だった。そんなメディチ家の当主だった国父コジモ・デ・メディチが制作を依頼し、ドナテッロが西暦1440年頃に完成させたのが下の画像の右側にあるダヴィデ像だった。この作品こそは革新的なルネサンス彫刻の先駆をなしたものと評価されているらしい。
ドナテッロの代表作でもあるダヴィデ像は、フィレンツェのバルジェッロ博物館で見ることが出来る。ついでと言っちゃなんだけど、上の画像の左側にある洗礼者ヨハネ像も同じバルジェッロ博物館で見ることの出来るドナテッロの作品なんだ。こちらは西暦1415年頃の作品なんだそうな。ちなみに、洗礼者ヨハネ（サン・ジョヴァンニ）はフィレンツェの守護聖人とされている。
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