ヨーロッパの歴史風景 先史・古代編




紀元前 390年(-380年)頃、現トルコ領の小アジアで、ネレイデス・モニュメントが建てられた。


大英博物館で見たネレイデス・モニュメント

イギリスの首都ロンドン大英博物館の中で古代ギリシャ関連の展示の目玉といえば、アテネのパルテノン神殿の彫刻だよね。でも、その近くに展示されていた下の小神殿もまた印象的だった。

イギリスの首都ロンドンにある大英博物館で見たネレイデス・モニュメント

正直なところ、大英博物館で上の小神殿「ネレイデス・モニュメント」を見た時には、それが何なのかよくわからなかったんだ。で、後から調べたというわけだ。

小アジアのリュキア人の墓廟ネレイデス・モニュメント

大英博物館で見た時には、このネレイデス・モニュメントは古代ギリシャ人の神殿だと思ったんだ。でも、調べてみれば、神殿ではなく墓廟なんだそうな。それも古代ギリシャ人のものではなく、小アジア(今のトルコ領)に住んでいたリュキア人と呼ばれる先住民の君主のものだと。クサントスという土地の君主でアルビナスという人物のお墓で、紀元前390年(あるいは380年)頃のものと考えられている。

この小アジアのリュキア人なんだけど、紀元前6世紀の半ばにはペルシャに征服され、そのペルシャがギリシャに敗れるとリュキア人は全盛期ペリクレス統治下のアテネに支配され、紀元前5世紀末には再びペルシャに征服されている。古代の地中海で覇を争った強大な勢力に挟まれた弱小勢力の悲哀というべきか。

そんなわけで、このネレイデス・モニュメントにも、大英博物館に他にもある小アジアのリュキア人の遺物にも、古代ギリシャの要素と古代ペルシャの要素の両方が見られるわけだね。

ところで、ネレイデス・モニュメントなんだけど、19世紀に発見された時には崩れ落ちた状態だったらしい。そんなネレイデス・モニュメントをイギリスに持ち帰ったのがチャールズ・フェローズ卿。そして大英博物館で復元が行われたんだそうな。復元の是非については議論があるらしいけど、そのおかげで私たちにも分かりやすい展示になっているのは確かだよね。

大英博物館の古代ギリシャ関連の展示

ところで下の画像は、ロンドンの大英博物館の中の古代ギリシャ関連の展示の様子なんだ。アテネのパルテノン神殿の彫刻が多いんだけどね。他にもとっても多くの興味深い展示がある。

イギリスの首都ロンドンにある大英博物館の古代ギリシャ関連の展示

大英博物館には、他にも古代エジプト関連、古代ローマ帝国関連の展示など、いくら時間があっても足りないほどに面白いものがあふれている。

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