レーガンとゴルバチョフによる米ソ首脳会談北大西洋に浮かぶ氷の島アイスランドの首都レイキャビクに、ホフディ・ハウスと呼ばれる建物(下の画像)がある。西暦1909年にフランス領事館として建てられた歴史ある建物であり、幽霊が出るという噂はある。でも、さほど大きくもないし、ヨーロッパでは特に目立つこともない建物かな。
ところが、この建物が歴史の転換点の舞台となったことがあるんだ。それが西暦1986年10月にこの建物で行われたレーガン大統領ととゴルバチョフ書記長による米ソ首脳会談だった。
もう一つのマルタ会談ブッシュとゴルバチョフによる西暦1989年のマルタ会談に先立つこと44年、つまり西暦1945年2月初頭にもマルタ会談が行われた。その主役はアメリカのルーズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相だった。(下の画像はイギリスの首都ロンドンの高級店街ボンド・ストリートで見た二人の像。)
二人の会談のテーマは、まずはナチス・ドイツに対する戦いを如何に終わらせるかということだった。そしてもう一つ、東から進撃を進めるソ連軍にどう対処するかということも重要な問題だった。ソ連軍がヨーロッパの中心部にまで進出することを二人は懸念していたんだ。
ヤルタ会談と戦後の冷戦マルタ島での会談を終えたルーズベルトとチャーチルは、すぐさまソ連のクリミア半島にあるヤルタに飛んだ。そこでソ連の指導者スターリンと会談を行ったんだ。ヤルタ会談の結果、ドイツはアメリカ・イギリス・フランス・ソ連の4カ国によって分割して占領することが定められた。更にはドイツの降伏後にはソ連が日本に対して宣戦することも決められている。また、日本の敗戦後には樺太・千島がソ連に帰属することも認められた。かくして今に続く北方領土問題が生じることになる。
やがてナチス・ドイツは降伏し、ヨーロッパにおける戦争は終結し、間もなく日本に対するポツダム宣言が発せられる。(上の画像はベルリンに突入したソ連軍の戦車なんだけど、ベルリンに展示されていたもの。)
さまよい出る幽霊レイキャビクにおけるレーガンとゴルバチョフによる米ソ首脳会談の舞台となったホフディ・ハウス(このページの冒頭の画像の建物)には、溺死した若い女性の幽霊が出るという話がある。夜中にドタンバタンという物音がするんだそうな。但し、この建物に幽霊が出るのか出ないのか、否定も肯定もしないというのがアイスランド外務省の公式の見解なんだそうな。そんな若い女性の幽霊も怖いけど、最近はもっともっと怖ろしい幽霊がさまよい出ているよね。それが米ソ対立による冷戦の幽霊かな。ソ連が崩壊した結果として、今では米ロ対立なんだけどね。 かつてスターリン・ルーズベルト・チャーチルが会談を行ったヤルタは、ウクライナ領だったクリミア半島に位置している。そのクリミア半島をロシアが併合したのが西暦2014年のこと。その併合に対してアメリカやヨーロッパ・日本などは強く反発している。 そして米ロの対立の火に油を注いでいるのがシリア内戦だよね。このページでは詳しくは書けないけど ・・・ 。米ソを中心とする冷戦が終結し、東西ドイツが統一された頃には、世界に平和が訪れたと喜んだもんだ。ところが、最近の国際情勢は不安になることばかり。さまよい出た幽霊は静かにあの世に消えていって欲しいもんだよね。
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