古代エジプト最盛期の王アメンヘテプ3世アハメス1世は異民族ヒクソスを駆逐し、古代エジプトの再統一を成し遂げ、古代エジプトの第18王朝の初代の王となった。その第18王朝の第9代の王となったのが、このページの主役アメンヘテプ3世なんだ。
そんなアメンヘテプ3世の御尊顔が上の画像なんだけど、イギリスの首都ロンドンにある大英博物館で見ることが出来る。上の画像にある彼の冠なんだけど、円錐形で頂部が球になっている上半分は上エジプト(南部)の冠、下半分は下エジプト(北部)の冠、その二つを組み合わせたこの冠は統一エジプトの王(ファラオ)であることを示すものなんだそうな。
アメン神信仰とアメンヘテプ3世最盛期にあった古代エジプトの冨を以て、彼はあちこちで建築工事を行っている。その筆頭に挙げるべきは、当時の首都テーベ(今のルクソール)にあるカルナック神殿の拡張・増改築かな。当時の古代エジプトで最も篤い信仰を集めていたのはアメン神なんだけど、その信仰の中心となっていたのが、カルナック神殿だった。
上の画像はそのカルナック神殿の大列柱室の様子なんだけど、その中でも最も高い12本の大列柱はアメンヘテプ3世が立てたものらしい。ちなみに、余談ながらこの大列柱はアガサ・クリスティ原作の映画「ナイル殺人事件」にも登場したんだそうな。
ルクソール神殿の建設アメン神に対する信仰心の篤かったアメンヘテプ3世は、更にルクソール神殿(下の画像はその大列柱室)をも建設している。そのルクソール神殿はアメン神の奥さんの住居とされ、ナイル川の水が溢れる季節にアメン神はここを訪れるとされたらしい。
そんなこんなで篤くアメン神を信仰していたアメンヘテプ3世なんだけど、その結果としてアメン神の神官たちは冨を貯え、王にも対抗できるほどの力を持つようになってしまった。かくして彼の王位を継承した息子のアメンヘテプ4世はアメン神ではなく別のアテン神を信仰するようになり、その神殿を築き、首都までも移転している。結局は古代エジプトは再びアメン神信仰に戻っていくんだけどね。
メムノンの巨像話をアメンヘテプ3世に戻すんだけど、王家の谷の近くを流れるナイル川の西岸に、彼は自らの為に巨大な葬祭殿を築いたらしい。ところが、ナイル川の氾濫によって起きる洪水が彼の葬祭殿を破壊してしまったらしい。更には後の王たちは彼の葬祭殿の廃墟から石材を持ち去ってしまった。
かくしてアメンヘテプ3世の葬祭殿は跡形もなくなり、残されたのは2体の彼の像だけ。その様子が上の画像なんだけど、メムノンの巨像として観光名所になっているんだ。
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