ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1639年、アルザス地方の街リクヴィールでヒューゲル家がワイン生産を始めた。(フランス)


アルザス地方の街リクヴィールのワイン業者 ヒューゲル社

フランスのワインといえば、ブルゴーニュやボルドーが名高いけど、アルザス地方のワインが好きな人も少なくないよね。

フランス東部アルザス地方の街リクヴィールのワイン業者ヒューゲル社のワインのエチケット

そんなアルザス地方の街リクヴィールで西暦1639年にワイン生産を始めたのが、ヒューゲル家だった。上の画像はそんなヒューゲル家(今は会社組織だからヒューゲル社)のワインのエチケットなんだ。

フランス東部アルザス地方のワイン生産

今のフランス東部アルザス地方に古代ローマ帝国のカエサル(シーザー)が軍を率いてやってきたのは、紀元前58年頃だったと考えられている。その後、古代ローマ帝国は要塞都市アルゲントラトゥム(今のストラスブール)を築き、周囲のアルザス地方ではブドウ畑が拓かれ、ワイン生産も盛んになったんだそうな。

4世紀から5世紀にかけては、ゲルマン系アレマン人やフン族の襲来によってアルザス地方の街やブドウ畑も荒廃したらしい。でも、中世には再びアルザス地方のワイン生産も盛んになったんだそうな。(下の画像はアルザス地方の街リクヴィールの周囲に広がるブドウ畑の風景。)

フランス東部アルザス地方の街リクヴィールのブドウ畑

中世のアルザス地方(フランス領ではなく神聖ローマ帝国領だった)で生産されたワインは、ライン川の水運を通じて運び出され、オランダベルギーイギリス、そして北欧などにも輸出されたんだそうな。

ヒューゲル家の祖先は遅くとも15世紀にはアルザス地方に住んでいたらしい。そして17世紀前半、三十年戦争の最中にリクヴィールの街に移り住み、そこでワイン生産に携わったわけだ。

古い街並みが残るアルザス地方の街リクヴィール

そんな歴史あるワインの街リクヴィールには、ワイン好きの人々が集まってくる。でも、リクヴィールの街で楽しめるのはワインだけじゃないんだ。例えば、下の画像にあるドルデーの塔は西暦1291年に建てられたもの。

フランス東部アルザス地方の街リクヴィールにあるドルデーの塔

三十年戦争やフランス王ルイ14世太陽王の侵略戦争フランス革命とその後の皇帝ナポレオンの戦争、普仏戦争第一次世界大戦、そして第二次世界大戦と数々の戦火に巻き込まれたアルザス地方なんだけど、このリクヴィールには古い家々も残されている。そんな街並みを歩くのも、リクヴィールを訪ねる観光客の楽しみだよね。

アルザス地方のワインと名物料理シュークルート

古い街並みを歩き疲れたら、リクヴィールの街のレストランに入ろう。そこで飲むべきはリクヴィールのワインであり、食べるべきはアルザス地方の名物料理シュークルート(下の画像)だよね。

フランス東部アルザス地方の街リクヴィールにあるレストランで飲んで食べたワインとアルザス名物料理シュークルート

そんなこんなでリクヴィールの街のことばかり書いてしまったけれども、他にも行くべき場所がある。例えばコルマールの街はかつてアルザス・ワインの取引の中心地だったし、コルマールの一角にあるプチ・ヴェニスは人気の観光スポットだね。

そしてアルザス地方の中心都市ストラスブールにも行かなきゃね。ストラスブールのプチ・フランスでは古い木組みの家々が水辺に並んで美しい風景を楽しめるし、ストラスブール大聖堂の尖塔はかつて世界一の高さを誇っていたんだ。

でも、私にとってもアルザス地方の旅で最も大事なのは、美味しいワインと美味しい料理かな。ちょいと言い訳になるけど、どちらも歴史の産物であります。(このサイトは歴史をテーマにしているわけだし、誤解なき様にその点をはっきりさせとかないとね。)

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