ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1562年、イタリアの古都フィレンツェにアカデミア美術学校が創設された。


ミケランジェロのダヴィデ像の行方

イタリアの古都フィレンツェを歩くならば、ほとんどの人がシニョーリア広場を通ることになるよね。ウフィツィ美術館やヴェッキオ宮殿に行く際などにね。そこで目にするのが、下の画像にある像だね。

イタリアの古都フィレンツェのシニョーリア広場に立つミケランジェロのダヴィデ像のレプリカ

言うまでもなく、ミケランジェロによって制作されたダヴィデ像だね。といっても、実はこれはオリジナルじゃなくてレプリカ。西暦1873年まではここにオリジナルが立っていたんだけど、今ではレプリカに置き換えられているんだ。では、オリジナルは何処へ ・・・ 。

アカデミア美術学校とアカデミア美術館

重さ20トンもあるというミケランジェロのダヴィデ像が1週間もかけて運び込まれた先が、下の画像にあるアカデミア美術館(フィレンツェ)なんだ。奥にダヴィデ像が立っているのが見えるけど、あれがミケランジェロによるオリジナルなんだそうな。

イタリアの古都フィレンツェのアカデミア美術館にあるミケランジェロのダヴィデ像のオリジナル

元々はシニョーリア広場に立っていたダヴィデ像なんだけど、屋外に置いていては貴重な芸術作品が損なわれてしまうということで、アカデミア美術館の建物の中に移されたんだそうな。

アカデミア美術館は西暦1784年に設立されている。美術館に隣接するアカデミア美術学校の学生たちの勉強の為にウフィツィ美術館やピッティ宮殿などから美術品を運び込んだものなんだそうな。そのアカデミア美術学校なんだけど、創設は西暦1562年のことだった。

アカデミア美術学校創設時のフィレンツェの支配者はメディチ家のコシモ1世だった。でも、西暦1737年にメディチ家は断絶していて、アカデミア美術館を創設したトスカナ大公はハプスブルク家のペーター・レオポルトだったらしい。(大公は西暦1790年に神聖ローマ帝国の皇帝として即位。)

アカデミア美術館で見る芸術作品いろいろ

フィレンツェに来る観光客にとって、アカデミア美術館での目玉といえばミケランジェロのダヴィデ像のオリジナルなんだけど、ここには他にもミケランジェロの作品がある。上の画像でダヴィデ像の右に見えている 2体は彼の囚人と呼ばれる作品(未完成)だね。

そして下の画像はパレストリーナのピエタと呼ばれる作品。但し、これはミケランジェロの作品ではないとの説もあるらしい。(ちなみに、ミケランジェロのピエタとしては、ローマサン・ピエトロ大聖堂ピエタが名高いし、フィレンツェの大聖堂に付属するドゥオモ博物館には未完のピエタと呼ばれる作品もある。)

イタリアの古都フィレンツェのアカデミア美術館にあるミケランジェロのパレストリーナのピエタ

もちろん、アカデミア美術館には他にも様々な芸術作品がある。ギルランダイオやボッティチェリ、ウッチェロやジャンボローニャなどなど。

アカデミア美術学校の初代校長はヴァザーリ

西暦1562年に創設されたという歴史あるアカデミア美術学校なんだけど、その初代校長がヴァザーリだった。「芸術家列伝」の著者として名高いヴァザーリなんだけど、彼自身も芸術家だった。

イタリアの古都フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)のクーポラに描かれたヴァザーリと弟子たちによるフレスコ画「最後の審判」

例えば、上の画像はフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)のクーポラの天井に彼が描いたフレスコ画「最後の審判」なんだ。但し、その完成前にヴァザーリは亡くなっており、彼の弟子たちが完成させたらしいけどね。

その他にも彼はウフィツィ美術館(当時は宮殿)やアルノ川にかかるヴェッキオ橋の上のヴァザーリの廊下などを手がけたらしい。

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