ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦708年、フランスの司教の夢に聖ミカエルが現れ、モン・サン・ミシェルの建設が始まった。


モン・サン・ミシェルの修道院

フランスは人気のある旅先の一つだよね。では、そのフランスの中で人気の目的地はどこだろうか。まずは首都パリかな。その次といえば ・・・ 例えば下の画像にある世界遺産 モン・サン・ミシェルかもしれない。

フランス北部の世界遺産 モン・サン・ミシェルを見上げた

この世界遺産 モン・サン・ミシェルはフランス北部ノルマンディー地方の海辺にある。フランス北西部の街レンヌからバスで行くことができる。でも、パリから行くバス・ツアーもあるらしいよ。

大天使 聖ミカエルとモン・サン・ミシェル

古代ケルト人の時代には、ここはモン・トンブ(墓の山)と呼んでいた。死者の霊が船で運ばれてくる場所だったらしい。

そして西暦708年、フランスのアヴランシュの司教オベールの夢に大天使が現われ、そのお告げによってこの島に礼拝堂が建てられた。その大天使が聖ミカエル(あるいはサン・ミシェル)だった。故にここはモン・サン・ミシェル(聖ミカエルの山あるいは島)と呼ばれるわけだ。

フランス北部の世界遺産 モン・サン・ミシェルの修道院の貯蔵庫にある聖ミカエル像

上の画像は、モン・サン・ミシェルの修道院の貯蔵庫に立つサン・ミシェル(聖ミカエル)の像なんだ。足許にちょこっと見えているのは、サン・ミシェルに退治されたドラゴン(竜)だね。

ところで、この聖ミカエルは西暦590年にイタリアの首都ローマサンタンジェロ城でも姿を見せている。その故に元々は古代ローマ帝国の皇帝ハドリアヌスのお墓として築かれたものがサンタンジェロ城(聖天使城)と呼ばれるようになったんだ。

モン・サン・ミシェルの大修道院

その後、モン・サン・ミシェルはノルマンディー公ロロ(ロベール)やその子孫のノルマンディー公の財政的支援を受け、大修道院を築いていった。

フランス北部の世界遺産 モン・サン・ミシェルの修道院の上にある廻廊

様々な様式で建てられたモン・サン・ミシェルの修道院の中でも、特にゴシック様式の部分はラ・メルヴェイユ(驚異)とも称されるらしい。ラ・メルヴェイユの上には、庭を囲む廻廊(上の画像)も設けられているんだ。

ついでながら、モン・サン・ミシェルの修道院は、ノルマンディー公ウィリアム(イングランド征服王ウィリアム1世)のノルマン・コンクエストを支持したらしい。その結果、イングランドにも所領を与えられた。

その所領の中には、コーンウォール地方(イギリス西南端)にあるセント・マイケルズ・マウントも含まれていた。英語でセント・マイケルズ・マウント ・・・ つまり、フランス語ではモン・サ・ミシェルだよね。そのイギリスのセント・マイケルズ・マウントにも、フランスのモン・サン・ミシェルと同じく、海に浮かぶ島に修道院が築かれたんだ。アーサー王の伝説も残されているけどね。

モン・サン・ミシェル名物はオムレツ

大天使 サン・ミシェル(聖ミカエル)のお告げから始まったモン・サン・ミシェルの修道院には、多くの巡礼がお参りにやってきた。

フランス北部の世界遺産 モン・サン・ミシェルのレストラン「ラ・メール・プラール」の名物ふわふわオムレツ

そんな巡礼たちをもてなしたのが、モン・サン・ミシェルの宿屋(今はレストランもある)の「ラ・メール・プラール(プラールおばさん)」のふわふわオムレツ(上の画像)だった。正直なところ私はさほど美味しいとは言えないんだけどね。でも、名物だし、ともかく食べておこうかとね。

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