ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1777年、フランスのブルゴーニュ地方の古都ディジョンにマスタードの専門店グレイ・プポンがオープン。


古都ディジョンにあるマスタード専門店グレイ・プポン

フランス東部のブルゴーニュ地方を旅した時、古都ディジョンで最初に目指したのが、マスタードの専門店グレイ・プポン(下の画像)だった。

フランスのブルゴーニュ地方の古都ディジョンにあるマスタードの専門店グレイ・プポン

このグレイ・プポン、西暦1777年にオープンしたというから、長い歴史を持っているわけだね。日本で言えば江戸時代の後半に入ったところかな。

ブルゴーニュの古都ディジョンの伝統的名産品マスタード

マスタードの原料となる芥子(からし)なんだけど、数千年前から地中海沿岸で栽培されていたんだそうな。それがフランスに入ってきたのは、古代のガリアの時代なんだそうな。

フランスに入ってきたマスタードは、まずはブルゴーニュで栽培され始めた。そのブルゴーニュ地方の古都ディジョンでは、西暦1630年頃にはマスタードの生産者の組合が発足していたらしい。専門店グレイ・プポンは伝統あるディジョンでは新参者ってことなのかな。

そんなマスタード生産の長い歴史を持つディジョンなんだけど、そのディジョンのマスタードが名高いのは、独特の風味を持っているから。一般的なフランスのマスタードは、挽いた芥子の実とワイン・ヴィネガーで作る。対して、ディジョンのマスタードは、挽いた芥子の実をヴェルジュ(熟していないブドウの汁から作る調味料)と白ワインに漬け込んでで作るんだそうな。

フランスのブルゴーニュ地方の古都ディジョンにあるバルゼの塔

フランスを代表するワインの産地ブルゴーニュの中心都市ディジョンだから、ブドウ果汁とワインはとっても身近なものだよね。つまり、ディジョンのマスタードは、ブルゴーニュならではの風味で作られているわけだ。(上の画像はディジョンのフランソワ・リュード広場に立つバルゼの像。ブドウを踏んでワインを作っている姿が描かれている。)

今ではディジョン周辺での芥子の栽培は少なくなり、マスタードの原料となる芥子の実の殆どは輸入されているらしい。でも、ブルゴーニュのワインとディジョンならではの製法がある限りは、ディジョンのマスタードは名産品であり続けるんだろうね。

料理もワインも美味しいブルゴーニュ

そんなディジョンのマスタードを生み出すフランスのブルゴーニュ地方には、他にも美味しいものがたくさんある。エスカルゴ、シャロレー牛、ブレス・チキンなどなど。そして料理には欠かせないワインだね。

フランスのブルゴーニュ地方のグラン・クリュ・ワインの村ジュヴレ・シャンベルタンのブドウ畑

そして上の画像は、フランスを代表するワイン産地であるブルゴーニュ地方の中でも、特に名高いワイン村ジュヴレ・シャンベルタンブドウ畑。ここで収獲されたブドウから、ブルゴーニュのワインが作られるわけだ。

グレイ・プポンで買ったマスタードと壺

そんなブルゴーニュ地方の古都ディジョンのマスタード専門店グレイ・プポンで買ったマスタードとマスタード壺が下の画像。

フランスのブルゴーニュ地方の古都ディジョンにあるマスタードの専門店グレイ・プポンで買ったマスタードとマスタード壺

もちろんマスタードは使って無くなっちゃったけど、マスタード壺は今も我が家のリビングの飾り棚にちょこんと置いてある。可愛いからね。

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