ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1762年、ロンドン郊外にあるイギリス王室ゆかりのキュー・ガーデンズ王立植物園に中国風パゴダが完成した。


ロンドン郊外にあるキュー・ガーデンズ王立植物園

イギリスの首都ロンドンの郊外に面積 120 ヘクタールもある広大な植物園があるのをご存知かな。下の画像は、その一部の様子なんだ。

ロンドン郊外にあるイギリス王室ゆかりのキュー・ガーデンズ王立植物園

このキュー・ガーデンズ王立植物園、広いだけじゃなくて、250年以上もの長い歴史も持っている。しかも、ユネスコの世界遺産にも登録されているんだ。イギリスへ行くならば必須のスポットかもしれないよね。

キュー・ガーデンズ王立植物園の中の中国風パゴダ

ロンドン郊外にあるイギリス王室ゆかりのキュー・ガーデンズ王立植物園の中の中国風パゴダ このキュー・ガーデンズ王立植物園には、様々な種類の植物だけじゃなくて、興味深い建物もあるんだ。例えば右の画像にある中国風パゴダは西暦1762年に完成したという歴史あるもの。しかも、この植物園にゆかりの深いイギリス王室の女性に関係の深い建物なんだそうな。

話は西暦1736年に遡る。その年、ドイツ生まれの女性オーガスタがイギリス皇太子フレデリックと結婚した。その時、オーガスタは16歳だったそうな。二人はロンドン郊外のハンプトン・コート宮殿に仲良く住み、9人もの子供を得たらしい。

ところが、西暦1751年にはオーガスタの夫フレデリックがイギリス王位を継承することもなく亡くなってしまった。哀しんだオーガスタが思い出の植物園に建てたのが、右の画像の中国風パゴダだったんだそうな。

ちなみに、皇太子だった夫フレデリックが亡くなった後、フェレデリックとオーガスタとの間の息子が皇太子となり、やがて西暦1760年にはイギリス王ジョージ3世となっている。(余談ながら、オーガスタがロンドンのセント・ジェームズ庭園を散歩中に産気づき、やがて生まれたのが後のイギリス王ジョージ3世だったそうな。)

キュー・ガーデンズ王立植物園にあるシャルロッテ王妃のコテージ

その後、西暦1772年にオーガスタが亡くなると、後のキュー・ガーデンズ王立植物園となる庭園を相続したのはイギリス王となっていた息子のジョージ3世だった。

ロンドン郊外にあるイギリス王室ゆかりのキュー・ガーデンズ王立植物園のシャルロッテ王妃のコテージ

キュー・ガーデンズ王立植物園の中には、上の画像にあるシャルロッテのコテージと呼ばれる建物もある。ここでいうシャルロッテというのは、イギリス王ジョージ3世の王妃のシャーロット(ドイツ出身であり、ドイツ名ではシャルロッテ)のことなんだそうな。ジョージ3世夫妻は、母オーガスタの思い出のある植物園の中のコテージで過ごしたこともあったかもね。

イギリス王ジョージ3世は忙しかった ・・・

とはいえ、イギリス王ジョージ3世は忙しかったに違いないんだ。というのも、彼が王だった時代には、アメリカ独立戦争があり、フランス革命があり、ナポレオン戦争があり ・・・ などでイギリスにとっても難しい状況が続いていたみたいなんだ。

しかも、イギリス王ジョージ3世の子供たちがなかなか問題児ばかりだったらしい。ギャンブルが好きだったり、借金を積み上げたり、女性にお金を貢いだり、役得を利用して賄賂を受け取ったり、 ・・・ そんな子供たちばかりで、父親のジョージ3世は大変だったんだそうな。イギリスの王様であっても苦労するんだね。

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