ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1707年、イギリスの首都ロンドンでフォートナム・アンド・メイソンが創業。


ワインや食料品が美味しい
フォートナム・アンド・メイソン
(ロンドン、イギリス)

私がイギリスの首都ロンドンへ行ったならば、どうしても立ち寄りたい場所がある。それはピカデリー・サーカスの西にあるフォートナム・アンド・メイソンなんだ。

というのも、様々なワインが取り揃えられているワイン売り場(下の画像)は充実しているし、食料品売り場においてあるイタリアやスペインなどヨーロッパ各地の生ハムやチーズもとっても美味しいんだもの。

イギリスの首都ロンドンの老舗フォートナム・アンド・メイソンのワイン売り場

フォートナム・アンド・メイソンのワインや食料品が美味しいのも無理は無いんだ。だって、約300年前、西暦1707年に創業した時、フォートナム・アンド・メイソンは食料品店として出発したんだ。

と簡単に書いてしまっては、「ヨーロッパの歴史風景」のページにならないから、もっと詳しく書いてみるかな。

フォートナム・アンド・メイソンの歴史

18世紀のはじめのイギリスの首都ロンドンでのこと。アン女王の宮殿でロウソクを取り替えることを仕事としていた男がいた。彼は宮殿で燃え残ったロウソクを売って多少の財産を溜め込んでいたんだ。

そして西暦1707年、ロウソク係の男は住んでいた家の家主と相談した。一緒に食料品店を開かないか。ロウソク係の提案に家主が賛成し、二人は共同で食料品店を始めた。

ちなみにロウソク係の名はウィリアム・フォートナム。家主の名前はヒュー・メイソン。その結果として、新しい食料品店の名前は、フォートナム・アンド・メイソンとなったんだ。

食料品店フォートナム・アンド・メイソンは成功のうちに最初の百年間を乗り切った。そして19世紀初頭のフランス皇帝ナポレオンとの戦争の頃、ポルトガルなどの戦場に出た将校たちは、その味覚を満足させるためにフォートナム・アンド・メイソンに食料品を注文したんだそうな。

ヴィクトリア女王御用達の店
フォートナム・アンド・メイソン

やがてフォートナム・アンド・メイソンは全盛期のイギリスに君臨したヴィクトリア女王御用達の店となった。クリミア戦争の頃には、ヴィクトリア女王がフォートナム・アンド・メイソンに命じて、野戦病院に食料品を送らせたんだそうな。

ヴィクトリア女王御用達となれば、上流階級の人々もやってくる。アスコット競馬やヘンリー・レガッタへ出かける際、上流階級の人々はフォートナム・アンド・メイソンの食料品を持っていったらしいよ。

イギリスの首都ロンドンの老舗フォートナム・アンド・メイソンの店の前

上の画像はロンドンのフォートナム・アンド・メイソンの店の前の様子。バイクのお兄さんがすっ飛ばしてきて、画像に入っちゃったけど。

現在のフォートナム・アンド・メイソン

そんな伝統は今でもフォートナム・アンド・メイソンに息づいている。この店においてある食料品は、間違いなくヨーロッパの一級品だね。(上の画像は現在のフォートナム・アンド・メイソンの店の外観。)

王室御用達の紅茶はどれも美味しいんだけど、特にロイヤル・ブレンドは逸品...なんだそうな。(ちょっと頼りない表現で申し訳ない。なんせ私は紅茶よりもコーヒーが大好きなものだから。)

次のページ



姉妹サイト ヨーロッパ三昧

ヨーロッパ三昧

このサイト「ヨーロッパの歴史風景」の本館が「ヨーロッパ三昧」です。イギリス・フランス・イタリア・スペイン・ギリシャ・トルコ・エジプト・ロシア・アゼルバイジャンなど25国45編の旅行記を掲載しています。こちらも遊びに行ってみてくださいね。

「ヨーロッパ三昧」のトップ・ページのURLは、 http://www.europe-z.com/ です。

Copyright (c) 2002-2013 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
管理・運営 あちこち三昧株式会社
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。