ヨーロッパの歴史風景 近世編




西暦1555年、「ノストラダムスの大予言」がフランスで出版された。


ノストラダムスがフランス南部プロヴァンス地方で生まれた

西暦1503年、後にノストラダムスとして有名になる男の子が、フランス南部プロヴァンス地方の街サン・レミ・ド・プロヴァンスで生まれた。その男の子の本名は、ミシェル・ド・ノートルダムといったらしい。(ノートルダムをラテン語風に書いてノストラダムスとなった。)

フランス南部プロヴァンス地方の街サン・レミの郊外にあるグラヌムの遺跡の死者記念塔

上の画像は、サン・レミ・ド・プロヴァンスの街の郊外にあるグラヌムの遺跡に残る古代ローマ帝国時代の凱旋門と死者記念碑。左側に見える死者記念碑はノストラダムスの詩にしばしば登場しているらしい。

ノストラダムスの父方の祖先はユダヤ人だった。しかし、曽祖父・祖父の代にキリスト教に改宗したんだそうな。代々続く商人の家系だった。

医者になったノストラダムス

西暦1518年にはノストラダムスはアヴィニョンの大学の学生になっている。でも、ペストが流行し、アヴィニョンの大学の講義は休講が続き、ノストラダムスは各地を放浪したらしい。(下の画像はアヴィニョンの教皇宮殿のテラスから眺めた街並み。)

フランス南部プロヴァンス地方の街アヴィニョンの教皇宮殿のテラスから眺めた街並み

ちなみに、ノストラダムスの父方の先祖はアヴィニョンで商売をしていた。彼の父もアヴィニョンで商売をしていたんだけど、結婚相手が住んでいたサン・レミ・ド・プロヴァンスに移ったらしい。

ところで、その息子のノストラダムスなんだけど、アヴィニョン大学での学業の途中で放浪に出て、やがて西暦1529年にはモンペリエ大学に入り、医学を学び始めた。更に西暦1544年には港町マルセイユの医者の下で修行をしている。

西暦1546年にはプロヴァンス地方でペストが広まったんだけど、その際には古都エクサン・プロヴァンス(エクス)で治療を行ったらしい。(ちなみに、西暦1347年にマルセイユから感染が広がったペスト(黒死病)が最も重大な災厄だったけれども、その後も何度かヨーロッパで流行している。)

「ノストラダムスの大予言」の出版

その後、サロン・ド・プロヴァンスの街に落ち着いたノストラダムスは、やがて予言者として有名になっていった。そして「ノストラダムスの大予言」の初版が出版されたのが西暦1555年のことだった。

フランスの首都パリの郊外にあるサン・ドニ大聖堂にあるフランス王アンリ2世と王妃カトリーヌ・ド・メディチの像

そんなこんなで評判の高まったノストラダムスをフランスの首都パリに呼び寄せたのがフランス王アンリ2世と王妃カトリーヌ・ド・メディチだった。(上の画像は、パリ郊外のサン・ドニ大聖堂にあるアンリ2世とカトリーヌ・ド・メディチの像。)

アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディチの二人に謁見したノストラダムスは、王子たちの未来について予言をしたとかしないとか、その予言は適中したとかしないとか、様々な解釈が行われているんだそうな。

フランス王の顧問とされたノストラダムス

その後、フランス王アンリ2世が亡くなり、その長男のフランソワ2世もフランス王に即位の翌年に亡くなり、次男のシャルル9世がフランス王となった。そのフランス王シャルル9世と王母カトリーヌ・ド・メディチは西暦1564年にプロヴァンス地方を訪れ、ノストラダムスに会っている。

更にはアルルの街にノストラダムスを呼び出し、彼を王の顧問としたんだそうな。(下の画像はアルルの街の円形闘技場の上から眺めた街並みとローヌ川の風景。このアルルは画家ゴッホが好んだ街でもある。)

フランス南部プロヴァンス地方の街アルルの円形闘技場の上から眺めた街並みとローヌ川

医者にして名高い予言者だったノストラダムスは、西暦1566年に亡くなっている。でも、「ノストラダムスの大予言」を含め、彼の多くの著作は、今でも世界中の人々にで読まれ、多くの人々が解釈し、様々な議論を巻き起こし続けているね。そうなることをノストラダムスは知っていたかな。

次のページ



姉妹サイト ヨーロッパ三昧

ヨーロッパ三昧

このサイト「ヨーロッパの歴史風景」の本館が「ヨーロッパ三昧」です。イギリス・フランス・イタリア・スペイン・ギリシャ・トルコ・エジプト・ロシア・アゼルバイジャンなど25国45編の旅行記を掲載しています。こちらも遊びに行ってみてくださいね。

「ヨーロッパ三昧」のトップ・ページのURLは、 http://www.europe-z.com/ です。

Copyright (c) 2012 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
管理・運営 あちこち三昧株式会社
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。