ヨーロッパの歴史風景 近代・現代編




西暦 1872年、ベルギーを舞台とする物語「フランダースの犬」がイギリスで発表された。


日本人に人気の物語「フランダースの犬」の舞台はベルギー

ネロ少年と犬のパトラッシュが登場する「フランダースの犬」といえば、日本人には大人気の物語だよね。絵本でも読んだだろうけど、特にテレビのアニメで観たよね。私も子供の頃に観たんだけどね。

その物語「フランダースの犬」が発表されたのは西暦1872年のこと。フランス人とイギリス人のハーフの作家ウィーダがイギリスの雑誌に発表したらしい。但し、その物語の舞台はベルギーの街アントワープとその近くの村ホーボケンだった。

ベルギーの街アントワープで食べたムール貝

この物語の作者であるウィーダは、前年にアントワープの街やホーボケン村を実際に見て歩いているんだそうな。(上の画像はアントワープで食べたムール貝。安くて美味い。アントワープへ行ったら是非とも食べたい名物料理だね。ウィーダさんも食べたかな。)

ムール貝はさておき、せっかくだから物語「フランダースの犬」の一部だけでも抜き書きしておくかな。

ネロ少年が望みをかけたアントワープの絵のコンクールは ・・・

おじいさん、犬のパトラッシュと暮らすネロ少年は、貧しいながらもいつかは画家になることを夢見て暮らしていた。でも、ある年の冬、おじいさんが亡くなってしまった。しかも、家賃が払えず、住んでいた小屋も追い出されてしまったんだ。

ベルギーの街アントワープのマルクト広場と市庁舎

お金が無く、身寄りも無く、住む場所も無いネロ少年の唯一の希望が応募していた絵のコンクールだった。そしてクリスマス・イヴの日、コンクールの結果が発表されるアントワープの市庁舎(上の画像の中の左側の建物)にやって来たネロ少年。でも、彼の絵は賞を取ることはできなかった。

アントワープのノートルダム大聖堂にやって来たネロ少年

最後に残った希望さえも失ってしまったネロ少年。たどり着いたのはアントワープのノートルダム大聖堂(下の画像)だった。

ベルギーの街アントワープのノートルダム大聖堂(聖母マリア大聖堂)の内部

このノートルダム大聖堂には、ネロ少年が憧れる画家ルーベンスの絵が掲げられている。それ観る為には拝観料を払わなきゃいけない。もちろん、無一文のネロ少年に払えるはずも無いんだけど ・・・ 。

ネロ少年が見たルーベンスの絵

アントワープのノートルダム大聖堂の中のネロ少年を月明かりが照らした。見上げれば、そこには画家ルーベンスの絵(下の画像はルーベンスの絵「キリスト昇架」。)

ベルギーの街アントワープのノートルダム大聖堂(聖母マリア大聖堂)で見たバロックの画家ルーベンスによる絵「キリスト昇架」

そして夜が明ければクリスマスの朝。アントワープのノートルダム大聖堂の中、ルーベンスが描いたキリストの前で、犬のパトラッシュと少年ネロが冷たくなっていた。

ベルギーの人々は物語「フランダースの犬」を知らないらしい

地元ベルギーではネロ少年や犬のパトラッシュのことを知っている人は少ないらしい。でも、アントワープの街やホーボーケン村で物語「フランダースの犬」にゆかりの場所を訪ねる日本人旅行者は多いんだそうな。

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