ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1270年頃、現在のチェコの首都プラハに、スタロノヴァ・シナゴーグ(ユダヤ教会)が建てられた。


ヨーロッパ最古のユダヤ教会
スタロノヴァ・シナゴーグ (プラハ、チェコ)

チェコの首都プラハにあるスタロノヴァ・シナゴーグ(ユダヤ教会) チェコの首都プラハの一角に、かつてのユダヤ人街(ゲットー)がある。その一角に残るスタロノヴァ・シナゴーグの様子が右の画像なんだ。

このユダヤ教会は、ヨーロッパで現在も使われているシナゴーグの中では最古のものと言われている。色々な説があるらしいけど、西暦1270年頃に建てられたらしいよ。

オールド・ニュー・シナゴーグ

このスタロノヴァ・シナゴーグの別名を「オールド・ニュー・シナゴーグ」と言う。つまり、「古い新しい教会」だよね。どうしてそんな変った名前で呼ばれるのか ??

このユダヤ教会が建てられた13世紀後半、当時のプラハでも最新のシナゴーグだった。だから「新しいシナゴーグ」。ところが時代が移り変わるにつれて、古いシナゴーグは消えていった。いつまにかスタロノヴァ・シナゴーグはプラハでも最古のユダヤ教会になってしまった。だから「オールド・ニュー・シナゴーグ」と呼ばれるようになったんだそうな。

シナゴーグ(ユダヤ教会)の中に入る

チェコの首都プラハにあるスタロノヴァ・シナゴーグ(ユダヤ教会)の中で 私たち外国人観光客も、スタロノヴァ・シナゴーグの中に入ることが出来るんだ。但し、入り口で紙製のユダヤ帽子(右の画像)を渡される。神のまします天を直接に頭の上に戴くのは不遜であるというのが、この帽子を着用する理由なんだそうな。

ついでに、右の画像に写っている私の上に、小さな長方形の窓が見えるよね。これは女性用。かつて女性はユダヤ教会の中に入ることが許されなかった。女性達はこの小さな窓を通して礼拝に参加したらしいよ。

歴史を誇るオールド・ニュー・シナゴーグ

チェコの首都プラハにあるスタロノヴァ・シナゴーグ(ユダヤ教会)にあるタペストリー このオールド・ニュー・シナゴーグ(スタロノヴァ・シナゴーグ)の中では、ユダヤ教の古い祭具・タペストリー・経典なども見ることが出来る。

なんといっても、今でも使われているユダヤ教会としては、ヨーロッパで最古だからね。歴史を誇る様々な物が守られてきたんだ。

そんなスタロノヴァ・シナゴーグのお宝の中でも目を引くのは、下の画像にあるダヴィデの星の旗。三十年戦争の際のユダヤ人コミュニティの貢献に対して、ハプスブルク家のフェルディナンド2世から贈られたものなんだって。

チェコの首都プラハにあるスタロノヴァ・シナゴーグ(ユダヤ教会)に残るダヴィデの星の旗

その後のチェコのユダヤ人

チェコという国を作り上げたのはチェコ人とドイツ人とユダヤ人だと考える人もいるほどに、チェコにおいてユダヤ人の存在は大きかったんだ。でも、第二次世界大戦の後、チェコのユダヤ人は激減してしまった。

その理由はわかるよね。西暦1939年にチェコを占領したドイツは、西暦1941年からチェコにおいてもユダヤ人に対する迫害を本格化させたんだ。プラハの北60kmほどのところにはテレジン強制収容所が設けられ、そこに集められたユダヤ人たちはアウシュヴィッツへ送られていった。

私は観たことが無いんだけど、ヤン・フジェベイク監督による「この素晴らしい世界」というチェコ映画がある。ナチス・ドイツ支配下のチェコにおいて、ユダヤ人をかくまった夫婦の日々を描いた作品なんだそうな。

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