ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1211年、トランシルヴァニア地方(現ルーマニア領)において、ドイツ騎士団がブラショフの街を建設した。


トランシルヴァニア地方の中心的な街 ブラショフ
(ルーマニア)

トランシルヴァニア地方(かつてハンガリー領、現ルーマニア領)の中心都市といえばブラショフかな。そのブラショフの街は、西暦1211年にドイツ騎士団が建設を始めたのが始まりなんだそうな。

下の画像は、ブラショフの街の中心となっているスファトゥルイ広場の現在の様子。中央の遠くにみえているのは、14世紀末に建てられた「黒の教会」だ。

現ルーマニア領トランシルヴァニア地方の街ブラショフの様子

どうして「黒の教会」と呼ばれるかといえば、かつて戦火をあびて黒焦げになったことがあるから。17世紀後半のことなんだけど、それまでトランシルヴァニアを支配していたオスマン・トルコ軍が退却していく際、追撃するハプスブルク軍が砲撃を加えた。そのあおりでこのブラショフの街も戦火をこうむったんだそうな。

串刺し公ヴラッド・ツェペシュとブラショフ

話は変って15世紀のルーマニアのこと。当時のワラキア公に串刺し公ヴラッド・ツェペシュと呼ばれた人物がいた。これがドラキュラのモデルとなったと言われる人物なんだけど、その串刺し公とブラショフとの間にも関係が有る。

ワラキア公となったヴラッド・ツェペシュは、オスマン・トルコと戦う戦費の調達の為に、地元ワラキアの商人たちを育成しようとした。そこで対立したのが、ワラキアに進出していたブラショフのドイツ系商人だった。

ブラショフの商人たちは、ワラキアにおける自分たちの商権を守るために、串刺し公ヴラッド・ツェペシュに敵対的な行動をとった。怒った串刺し公は、トランシルヴァニアに軍を進め、ブラショフの人々を捕らえて「串刺し刑」に処したらしい。

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