ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1078年、イングランドのウィリアム征服王が、ロンドン塔のホワイト・タワーを築いた。(イギリス)


ロンドン塔の中心にあるホワイト・タワー(イギリス)

フランス北部のノルマンディー公国の支配者にして、西暦1066年にイングランドの王となったウィリアム征服王は、1078年にテムズ川北岸(今のイギリスの首都ロンドンの一角)にホワイト・タワー(下の画像)を築いた。

イングランドのウィリアム征服王が築いたロンドン塔のホワイト・タワー(イギリス)

その周囲には、やがて多くの建物や城壁が築かれ、今のようなロンドン塔になったわけだ。

ロンドン塔で処刑あるいは幽閉された人々

イングランドのウィリアム征服王が築いたロンドン塔のホワイト・タワー(イギリス) しかし、この建物は決して白くはない。白くもないのにホワイト・タワーとは何故か。

昔はホワイト・タワーには白い漆喰が塗られていたらしい。つまり、本当に白かったからホワイト・タワーと名づけられたんだって。

ホワイト・タワーが時代と共に白さを失うと同時に、この塔の中には人々の暗い思い出が積み重なっていった。

この塔で処刑された人々、あるいは幽閉された人々は数えることも出来ないね。トマス・モアヘンリー6世、エドワード5世と弟のヨーク公、アン・ブーリン、...。

それに忘れちゃいけないのはエリザベス1世。彼女もここに幽閉されていたことがあるんだ。

ロンドン塔とその他のイギリス王家の宮殿

このロンドン塔のホワイト・タワーを築いたイングランド征服王ウィリアム1世は、しばらくここに住んだらしい。でも、次第に彼のイングランド支配が確立されていき、ビッグ・ベンと国会議事堂で有名なウェストミンスター宮殿(下の画像)に移ったんだそうな。

イギリスの首都ロンドンのビッグ・ベンで有名な国会議事堂あるいはウェストミンスター宮殿

余談ながら、イギリス王の宮殿としては、他にも色々あるね。例えば、ヘンリー8世が住んだロンドン郊外のハンプトン・コート宮殿。ウィリアム3世が住んだケンジントン宮殿(ケンジントン・ガーデンズの中にある)。そして大英帝国時代のヴィクトリア女王が住んだバッキンガム宮殿など。

ロンドン塔で餌付けされているカラス

カラスの害が話題にのぼる日本では、カラスを餌付けするなんてとんでもないことだよね。でも、この世界の観光地 ロンドン塔ではカラスが餌付けされているんだそうな。

というのも、「カラスがいなくなると、ロンドン塔が崩壊する」と言われているから。そのカラスのえさ代を出しているのはイギリス政府だって話だけど、本当かどうかは定かではない。

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