ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦927年、第一次ブルガリア帝国の黄金時代の皇帝シメオン1世死去。

同じ年、バルカンの山中にリラの僧院の建設が始まった。


第一次ブルガリア帝国の黄金時代の皇帝 シメオン1世

第一次ブルガリア帝国の黄金時代の皇帝 シメオン1世の肖像 西暦927年、第一次ブルガリア帝国の皇帝シメオン1世(あるいは大帝)が亡くなった。西暦7世紀後半に成立した第一次ブルガリア帝国にとって、最も繁栄した時代を代表する支配者だったんだそうな。

シメオン1世の指揮下で、ブルガリア軍はビザンティン帝国軍を撃ち破り、ペロポネソス半島にまで侵入し、セルビアにも領土を広げ、その版図は最大になっていたらしいよ。

バルカン山中に入った修道士 聖イヴァン・リルスキー

バルカン山中にリラの僧院を建て修道士 聖イヴァン・リルスキー(ブルガリア) 第一次ブルガリア帝国の皇帝シメオン1世が亡くなった西暦927年、一人の修道士がバルカンの山の中に修道院を建て始めた。その修道院の名は、リラの僧院という。

やがて、リラの僧院はブルガリアを代表する修道院となった。他方、僧院を建てた修道士(右の画像)は聖人に列せられ、聖イヴァン・リルスキーと呼ばれるようになったんだ。

ブルガリアの信仰と文化を守り続けたリラの僧院

やがて、ブルガリアはオスマン・トルコによって占領され、異教を信じる異民族によって支配されることとなった。そんな時代にブルガリア固有の信仰と文化を守り続ける拠点となったのが、バルカン山中にひっそりとたたずむリラの僧院(下の画像)だった。

バルカン山中の修道院 リラの僧院 (ブルガリア)

様々な民族が交差するバルカンに位置していることもあり、この僧院は何度も戦火に遭っている。しかし、その度に信仰篤い人々によって再建されてきた。現在の僧院は、14世紀から19世紀にかけての建物で構成されているらしいよ。

このリラの僧院が位置しているのは、ブルガリアの首都ソフィアから南へ120km、バルカン山中のリラ山系の中、海抜1147メートルの山の陰。私が僧院を訪れたのは5月だったけど、冷たい清冽な空気に包まれていたね。

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