ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1338年、ボヘミア王国(現チェコ)の首都プラハに、市庁舎を建てる許可が与えられた。


ボヘミア王国(現チェコ)の首都プラハの旧市庁舎と
仕掛け時計(天文時計)

チェコの首都プラハの旧市庁舎の仕掛け時計(天文時計) 西暦1338年、ボヘミア王国の首都プラハの市民達に、市庁舎を建てる許可が与えられた。それを受けて市民たちが建設したのが、右の画像にある旧市庁舎なんだ。もちろん、現在までに何度も増改築の手が加わっているけどね。

右の画像でもわかるけど、旧市庁舎の前には多くの観光客が集まる。彼らのお目当ては、旧市庁舎の壁にある仕掛け時計(天文時計)なんだ。15世紀に作られたものだけど、今でも動いているんだよ。時計の横にいる死神が鐘を鳴らすと、キリストの十二使徒が姿を見せ、最後にニワトリが啼く仕掛けになっている。

余談ながらプラハの市民達に許可を与えたのは誰かといえば、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ7世の息子でルクセンブルク家のヨハンだった。彼の息子が後にボヘミア王・神聖ローマ皇帝となるカレル4世なんだ。

プラハの旧市役所前広場を見下ろすティーン教会

続いては下の画像なんだけど、画像の左に見えてるのは旧市庁舎だね。そして画像の中央からやや右にかけて写っているのはティーン教会。14世紀末に建てられた教会なんだよ。そのティーン教会が見下ろしているのは、旧市役所前広場というわけだ。

旧市庁舎前広場を見下ろすティーン教会(プラハ、チェコ)

チェコにおける宗教戦争のきっかけを作ったヤン・フス

このプラハ旧市庁舎前広場には、もうひとつ観光客を集めるものがある。それが下の画像の左に写っているヤン・フスの記念像なんだ。

旧市庁舎前広場とヤン・フスの記念像(プラハ、チェコ)

西暦1415年、ボヘミア(チェコ)の宗教改革者ヤン・フスが、コンスタンツの宗教会議によって火刑に処せられた。更に教会はボヘミアのフス派に対する弾圧を行ったんだ。

そして、西暦1419年から1436年にかけてボヘミアでは宗教戦争(フス戦争)が起こってしまった。その結果、ボヘミアの国土は荒廃し、人口は減少した。

そんな忌まわしい戦争のきっかけを作ってしまったヤン・フス。でも、ドイツ人が幅を利かせていた中世のボヘミア王国において、聖書をチェコ語に翻訳し、チェコ語で教えを説いたヤン・フスは、現代のチェコでも尊敬を集めている。

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