ヨーロッパの歴史風景 中世編




西暦1000年ころ、ヴァイキングの「幸運のレイフ」(レイフ・エリクソン)がアメリカ大陸を発見した。


アメリカ大陸を発見した幸運のレイフ(レイフ・エリクソン)

アメリカ大陸に到達した最初のヨーロッパ人 ・・・ といえば、殆どの人はコロンブスと答えるよね。あるいはアメリゴ・ヴェスプッチ(この人物の名がアメリカという名の元となった)と答える人もいるかもしれないね。

ヴァイキングの幸運のレイフ(レイフ・エリクソン)によるアメリカ大陸発見を描いたアイスランドの切手

ところが、彼らよりも500年近く前にアメリカ大陸に到達していたと考えられる人物がいる。それが幸運のレイフ、あるいはレイフ・エリクソンだった。彼は西暦1000年頃にはアメリカ大陸を発見していたとも言われているんだ。(上の画像はその発見を描いたアイスランドの切手。)

ノルウェー系ヴァイキング

レイフ・エリクソンの父親である赤毛のエリクは、10世紀半ばにノルウェーで生まれたヴァイキングだった。(下の画像はヴァイキングたちを生み出したノルウェーのソグネ・フィヨルドの風景。)

ヴァイキングを育んだノルウェーのソグネ・フィヨルド

しかし、エリクの父親(レイフの祖父)が殺人の咎によってノルウェーを追放された為に、一族でアイスランドに移り住んでいる。幸運のレイフはそのアイスランドで生まれたんだそうな。ちなみに、彼はレイフ・エリクソンとも呼ばれるけれども、エリクソンとはエリクの息子という意味なんだね。

ところが、レイフの父親の赤毛のエリクも殺人を犯し、アイスランドから追放されてしまった。その追放期間中にエリクはグリーンランドを発見している。やがてエリクの一族はグリーンランドに移り住み、幸運のレイフもそこで育ったんだそうな。

やがてレイフ・エリクソンは父の故地であるノルウェーに渡った。そこでキリスト教に改宗したらしい。その後、グリーンランドに戻ったレイフは、更に西に大きな島があるという話を耳にし、西暦997年に西に向かう航海に出発した。そしていくつかの陸地を発見し、更に西暦1000年頃にはアメリカ大陸に到達したとされている。

アメリカ大陸に到達したレイフ・エリクソンは、そこに入植者を送り込んだ。しかしながら、その地の先住民たちとの関係が悪化し、結局は入植は失敗に終わってしまったらしい。ちなみに、彼の入植地はカナダのニューファンドランド島のランス・オ・メドウだったとされている。そこでは中世ヴァイキングの定住地跡が発見されているらしい。

アイスランドに立つ幸運のレイフの像

かくして忘れられた英雄とも呼ぶべきヴァイキング 幸運のレイフ(レイフ・エリクソン)なんだけど、彼が生まれたアイスランドの首都レイキャビクには、彼の像が立っている。

アイスランドの首都レイキャビクのハットルグリムス教会の前に立つ幸運のレイフ(エリクソン)の像はアメリカから贈られたもの

上の画像がレイキャビクのハットルグリムス教会の前に立つ幸運のレイフの像なんだけど、これは西暦1930年にアメリカから贈られたものらしい。

アメリカ大陸を再発見したコロンブス

というわけで、コロンブスよりも500年近く早くアメリカ大陸に到達したのは、アイスランド生まれのヴァイキング 幸運のレイフ(レイフ・エリクソン)ということなんだけど、彼が進めたアメリカへの入植が失敗に終わったこともあり、彼の発見は忘れられてしまっていた。

コロンブスによるアメリカ大陸発見を描いたアイスランドの切手

そして西暦1492年、コロンブスがアメリカ大陸を再発見し、多くの人々が新大陸へ向かうことになったわけだ。(上の画像はコロンブスによるアメリカ発見を描いたアイスランドの切手。)

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