ヨーロッパの歴史風景 近代・現代編




西暦 1991年、ゴルバチョフ大統領が辞任し、ソ連が消滅した。


旧ソ連の消滅と現在のロシアの人々

西暦1989年11月に起こった旧東ドイツにおけるベルリンの壁の崩壊から、ソ連と東欧の共産主義諸国における激動にはずみがついたといえるのかもしれない。東欧各地でルーマニアなどの共産主義政権が崩壊し、ソ連内のグルジアなどの諸共和国も独立への動きが活発化して行った。

そして西暦1991年、かつてアメリカと覇権を争った超大国ソ連(ソヴィエト連邦)が消滅したんだ。東西冷戦の時代に育った私にとっては、全く予想することも出来ないことだった。

当のソ連・ロシアの人々にとっても、事態は予想も出来ないことだったろうね。ロシアの多くの人々は困窮化し、食べるものにも事欠く生活が始まったんだ。

デモをするサンクト・ペテルブルクの人々(ロシア) そして、かつてのソ連時代に戻ることを求める人々は、赤旗を掲げて、現在の状況を非難していた。

右の画像は、1999年夏にロシアの古都サンクト・ペテルブルクにて撮影したものなんだ。

西暦1991年、旧ソ連消滅

西暦1991年1月5日、コメコンが解散された。しかし、その4日後にはソ連軍がリトアニアで武力行使をしている。

6月12日、ロシア共和国大統領選挙で、市民の支持を集めたエリツィン氏が圧勝した。

小熊を抱かせて小銭を稼ぐサンクト・ペテルブルグの男(ロシア) 8月19日、ソ連保守派によるクーデターが起こった。しかし、その二日後に鎮圧された。

9月6日、ソ連国家評議会がバルト三国の独立を承認した。

12月8日、CISの創設とソ連の消滅が宣言された。

12月11日、旧ソ連の11の共和国がCIS創設議定書に調印。

12月25日、ゴルバチョフ大統領が辞任を表明し、ソ連が消滅した。

右の画像は、1999年夏にサンクト・ペテルブルグで撮影したもの。かつて北方の熊と恐れられた国の古都で、観光客に小熊を抱かせて小銭を受け取る男の画像だ。

そしてロシアの街に流れるディキシーランド・ジャズ

旧ソ連の政治体制が崩壊し、食料などの物資の供給は細り、公務員の給与や年金はインフレに追いつかず、しかも乏しい給与の支給さえも滞り、人々は生活に困窮したソ連崩壊後のロシア。

サンクト・ペテルブルグの街角でディキシー・ランド・ジャズを奏でる人々(ロシア)

でもね、私が訪れた1999年の夏、サンクト・ペテルブルグではディキシーランド・ジャズ(下の画像)が流れていたんだ。バンドの連中だって暮らしは楽じゃないだろう。でも、かつては人前で演奏することをはばかったであろう音楽を、自由に楽しむことができる国になったことを確信させられたよ。

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